アルソリ国際コンクール

前回の記事で書いたロッケッタ市国際コンクールから戻ってきて、

翌週はまた別のコンクールを控えていました。

7月中旬のローマは相変わらず40度近い異様な暑さでクラクラ。

寝太郎のわたしは夜ぐっすり眠れないのが何よりつらい…

以前から揉めているお隣の壁たたきオバサンとのバトルも暑さと同時にヒートアップするし

なんで連続でコンクール入れちゃったんだろう、とかなり後悔してました。

 

しかしどんなに暑くともわずか数日はあっという間に過ぎ去り…

いよいよ7月17日~19日にコンクールふたつめ、

ローマ近郊で行われたアルソリ国際コンクールに行ってきました。

エステ荘で有名なティボリのさらに奥にある高地です

エステ荘で有名なティボリのさらに奥にある高地です

 

先週のロッケッタと比べると第2回目という新興コンクールですが、

そこそこの賞金額とローマ近くという立地もあいまって予選に40人エントリー。

帰りにローマ観光もできるしついでに寄ったというコンクール転戦組の子たちばかりでした。

 

今回わたしは郊外バスや電車でローマの家から通いで参加しました。

が、それが大外れで、ただでさえ猛暑で疲弊しているところさらに体力を消耗する結果となり(冬なら大丈夫だったと思う)

今まで経験した中でいちばん過酷な本番のひとつとなりました。

 

①予選

予選の日はローマからアルソリに向かう途中、バス会社のミスで乗り換えできず

なんとか近くの町で下ろしてもらうバスに乗らせてもらい、コンクール運営側に迎えに来てもらいました。

途中バス会社と大喧嘩したりタクシー探したり大変で、1時間で到着予定がけっきょく3時間…

この時点で大幅な遅刻だったけれどコンクール自体も押していたので出番に間に合い、到着10分後に即本番となりました。

しかし、ここまで冷房なしの蒸し風呂バスにゆられ、酷暑の山道に下された私は死にかけ状態。

集中できず1曲めのハイドンソナタでしょうもないミスを連発しながら、スカルボをなんとかまとめ20分耐え凌ぎました。(あとから聞いたらこの予選が好評だったらしいんですが、一体なにが良かったのだろうか。)

バスがすぐきたのでアルソリ滞在1時間でローマへとんぼ帰り。帰りも冷房なしの蒸し風呂。し、しぬ、、と思いながら命からがら帰宅しました。夜遅く、無事に通過のお知らせ。

バスに下された場所。人どころか車もまったく通らず不安になりながらお迎えを待ちました。

バスに下された場所。人どころか車もまったく通らず不安になりながらお迎えを待ちました。

 

②ファイナル

翌日のファイナルは朝からで、出番は12時。前日の教訓を生かしてバスはやめて電車でアルソリへ向かいました。連日よく寝れていなかったので涼しい車内でウトウト…。

この日、演奏前からいやな予感はありましたが、あと35分乗り切るだけだと気持ちはしっかり持てていた、はずでした。緊張で固くなっていたわけでもありません。

が、1曲目のバッハを弾き始めた瞬間これはまずいと冷や汗。頭がぐるぐる…いままでにないほど集中できない謎の感覚に襲われフーガで暗譜がとびました。開始3分で撃沈。

メインのプロコも意識が飛びそうなギリギリのところで暗譜も何度か危うくなり、なんとか最後まで弾いたというような出来で泣けました。

結果はなんとか1位なしの3位に食い込みましたが、緊張とも異なる初めての感覚を経験してなかなかショックでした。

精神力、とはいいますがやはりそれを支えるのは体力です。

あまりに暑かったのでロングドレスは放棄しちゃいました。

あまりに暑かったのでロングドレスは放棄しちゃいました。冷や汗光ってますね。。

 

そしてこの日、予定されていた受賞者コンサートは18:30から押して押して21:30開始

もはや他の受賞者ピアニストも慣れない暑さと疲労で死んだような目になってました。

結局わたしは終電を逃してしまい、

ローマに車で帰るという親切なご家族に送っていただいて

0時頃やっと家に帰ることができました。

ながいながーーい1日がやっと終わってようやく休める、

はずはなく、翌日は荷造りと片付け、そのまま徹夜で36キロの荷物を抱えて朝4時にタクシーで空港へ!

 

早く帰りたいがためにこんな強行スケジュールにしてしまった自分のせいです。

そんなこんなで帰国の最中、機上のビジネスクラスで最高にゆっくりと休ませていただきました。

復路もアップグレードされないかなぁと夢見てます。

Mari