イタリア留学その2(入試と入学手続き)

(※ご訪問が多いので2015年11月、一部修正しました)

わたしが在籍している国立ローマ聖チェチーリアアカデミア(Accademia nazionale di Santa Cecilia)の入試は例年10月末~11月に行われています。※最近は遅くなっていて2014年、2015年ともに11月下旬

当時のピアノの課題は、異なる時代から3曲+ChopinかLisztの練習曲、でした。

出願方法は イタリア留学その1(出願方法) で書いてます

公式サイト上で出願した後は、自動返信で登録確認のメールが来ますが当日までとくに連絡はありませんでした。

試験までの流れはこんな感じです。

  • 出願
  • 公式サイトで試験の集合時間を確認
  • 身分証を持って身一つで学校へ
  • 指定された個所を弾く
  • メールで結果を待つ
  • 入学手続き
  • レッスン開始

当日までに何か気になることがあればメールで直接質問することは出来ます。Conservatorioに比べるとAccademiaは学生数も少ないので、イタリアにしては事務所のレスポンスが早いです。

私は必要なかったのですが、海外からの受験生は試験数日前から学校で練習させてもらってました。(ただし毎日開いているとは限りません)

私は幸運にもピアノが弾けるお家を引き継がせていただいたので、試験日の5日前くらいにローマ入りし、当日まで弾きこもってました。人生でいちばんの孤独と恐怖を感じた数日間でした…。

試験当日はほんとうに適当なオーガナイズで、朝9時の集合で着いた順番に番号を言い渡され、出番が来るまでひたすら待ちます。

わたしは7時間以上待たされ、イタリア語もよくわからず疲れ切ったところで夕方にようやく自分の番が回ってきました。

 

演奏時はあまりの緊張と待ち時間の長さで疲れ切っていたけれど、頭だけは冴え冴えとしていて今までにない集中力だったことは今も覚えてます。

用意した古典ソナタは一楽章再現部まで、ヤナーチェクのソナタ一楽章のみ、ラヴェルのスカルボは中間部の前まで、最後にショパンのエチュードを弾きました。

弾き終わって外に出た時、緊張の糸が切れて足に力入らなくて道で腰抜けそうになったなぁ。懐かしいです。

受験した2012年のピアノ科入試は一日で行われたので、終わってすぐその日の夜にメールで結果がきました。

 

 

学校の廊下。部屋数は多くないですがすべてグランドピアノで空いていれば練習できます。

学校の廊下。部屋数は多くないですがすべてグランドピアノで空いていれば練習できます。

ここと左側に移る扉の奥が会議室で待合室として使われました。

ここと左側に移る扉の奥が会議室で待合室として使われました。

ちなみに合格人数は私の年が3人、次の年も3人でした。外国人枠の制限などは今のところ聞いたことありません。

Accademiaは基本的に各楽器に教授が1人、つまり1クラスです。

私の前の年までは一年に7,8人が入学していたそうですが、レッスン不足の解消とレベル維持のために1クラス(3学年で)12人を目安に少人数化を図ることになり、よりによって私の受験した年から人数が絞られることになりました。(後から聞きました)

そして次の年は合格人数が同じ3人なのに受験者数が倍だったらしく、浪人しなくて良かった…と心から思ったのでした。

合格後の手続きはけっこう簡単で、これまた公式サイト上から必要事項を入力してpaypalで学費を払って完了です。

※学費は2012年当時700ユーロ/年。2014年から950ユーロになりました。ここ10年でどんどん上がってます。

それから入学許可証と通学証明書の発行を申請しました。時間がかかることも覚悟していたのですが、あっさり2,3日で出してもらえます。

※12月に大学院修了演奏会のため一時帰国する予定だった私は受験ビザを持たず渡航したので、合格後に日本で学生ビザを申請する必要がありました。

授業は実技レッスンだけなので、履修登録など面倒なことは全くありません。

初日のレッスン日だけ確認して入学手続きはあっという間に終わりました。

いよいよローマ生活のスタートです。

 

Mari